参号:特集「夢野久作/竹中英太郎」


参号:特集「夢野久作/竹中英太郎
1981 4月  171頁 価格980円
古書価高め。
・参号「夢野久作/竹中英太郎」は最初で最後の日本作家特集。笠原伸夫、西原和海、松田修といった執筆陣はのちの『幻想文学』(1982〜)ではおなじみの面々ですね。
・参号から5号まで寺山修司が立て続けに原稿を書いています。
・たけなかつとむによる評伝「断影・竹中英太郎」は4号との分載。この分載に関し編集部との間で一悶着あったそうですが、けっきょくたけなかつとむが折れる形で落ち着いたようです。

◆号数の表記について……大字かアラビア数字か
夜想の号数は「ベルメール特集」と「久作・英太郎特集」のみ〈弐〉、〈参〉という大字(だいじ)を使っています。
当初の予定では大字を使っていくつもりだったのが、4号からはアラビア数字に統一されたようです。
←拡大(左:参号 右:4号)

大字では数字が大きくなるほど表記に難が生じますから、おそらく先を見越して修正を加えたのでしょう。
蛇足ついでに1から10までの大字を載せときました。(同じ数字でも2、7などは多少のゆれがあるみたいです。)

壱(1)弐(2)参(3)肆(4)伍(5)陸(6)漆(7)捌(8)玖(9)拾(10)


内容
小説
傀儡師 夢野久作
竹中英太郎画譜
英太郎と久作
解題
彼方の王宮 中井英夫
論考
一人称の「私」――その彼方に久作はいるのか
死とエロスの深層水系――夢野久作 笠原伸夫
夢野久作の貴種幻想 西原和海
「猟奇歌」からくり 寺山修司
●茫漠とした謎の涯てに正統ロマン主義の構造をみる
爆弾太平記《海を裂く意志》 松田修
指輪と泥棒――夢野久作のメルヘン 由良君美
最後の流謫者 今野裕一
小屋掛けの現場から
門付け旅芸人の幻術 笠原茂朱
血劇場物語 沢口びょう
久作よりも久作的な竹中英太郎の半生記
断影・竹中英太郎〈一〉 たけなかつとむ
夢野久作の世界を具象化する
中村宏 石井隆 渡辺高士
連載
中野美代子+川口起美雄〔1〕ワクワクの樹
夜想画房 奥山民枝〔1〕