ひとがた、ドール、マヌカン――〈人形〉さまざま(少し更新)


◆〈人形〉という視点は『夜想』の追究し続けている一つ重要なテーマです。
夜想』では弐号の他にも、17号「未来のイヴ」、31号「マヌカン」、34号「パペットアニメーション」など様々な〈人形〉特集を組んでいます。新『夜想yaso』(ステュディオ・パラボリカ)でも早速「ドールDOLL」という特集が組まれました。
◆他の雑誌では……
幻想文学32号「人形綺譚」は人形文学を過不足なく展望した好著。
ユリイカ 2005年5月号:特集人形愛はラヴドールの話が少しおもしろいかも。
ごく新しいものだとトーキングヘッズ叢書42「ドール・ホリック」なんて雑誌もあります。こちらはとりわけサブカル方面の記事に読むべきものが多い。
◆アンソロジー

・『人形倶楽部』北宋社コレクション

収録作
鉄の独裁者 ロバート・シルヴァーバーグ
アンドロイド & ロイド 都筑道夫
頭の大きなロボット 星新一
人形を焼く 吉行淳之介
未生の闇 中井英夫(『夜想』弐号より)
ロボットの町 川又千秋
人形の館 シドニー・キャロル
人形つかい ハンス・クリスチャン・アンデルセン
人形細工の人間ども ミハイル・エヴグラーフォヴィチ・サルトェイコフ=シチェドリン
自動人形 エルンスト・T・A・ホフマン

作者や作品に関する言及は一切無し、申し訳程度に再録一覧を載せているだけの極めて不親切なアンソロジー
しかし、収録作を見ると作品の質はかなり高いことが分かります。
夜想弐号から中井英夫の小品が採られていることにも注目。
・書物の王国7「人形」国書刊行会

人形幻想 種村季弘
蒲団の国 スティーヴンソン
クルミ割り人形とネズミの王様 ホフマン
しっかり者の錫の兵隊 アンデルセン
マルスリーヌ レニエ
彫像の呪い ハーディ
代書人 ゲルドロード
女王人形 フエンテス
人形つくり 北原白秋
泥人形の兄 紀繇(きいん)『閲微草堂筆記』
人形奇聞 高古堂主人『新説百物語』
承久二年五月の夢 明恵上人『明恵上人夢日記
人形つかい 日影丈吉
雛がたり 泉鏡花
人形 江戸川乱歩
ものいう人形 柴田宵曲
マリオネット劇場について クライスト
悪魔の創造 澁澤龍彦
ピュグマリオン ブルフィンチ

yaso―特集+ドール

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TH no.42 ドールホリック〜機械仕掛けの花嫁を探して (トーキングヘッズ叢書 第 42)

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