幻想と怪奇 6



かねてより要望のあった日本作家のみの特集。
帯付きは6号のみ?(→拡大)


ちなみに6号が刊行された1974年は、第一次オイルショックの影響で紙不足が深刻化したときです。
各社減ページ、休廃刊、合併号や隔月刊化などで苦境をしのごうとするなか、
本誌はあえて「増ページ断行」。
そのかわり、定価は600円→1100円となっています。
この値上げに関して、次号にはこんな意見が。

三宮で”幻想と怪奇”を見つける。さっそく買おうと思って裏を見た。一瞬嘘だと思った。笑いさえ浮かんだ。千百円。五百円の値上げ、これではとてもついていけない。酷すぎると思う。あんまりだと思う。高踏的だか、なんだかしらないけれど、いったいどういうつもりなのか。(中略)
こんなことを書いてみたけれど、やはり僕は金をため、なんとか購入するつもりでいる。(中略)
だけど、それでもなお、あんな値がつづくのなら、諦めざるを得ないだろう。いっそのこと、こんな雑誌、なくなってしまえばいいと思う。
18歳・学生

お金はないけど本は買いたい……
大いに共感します。


第6号 1974 3 幻妖コスモロジー|日本作家特集
(杉本潤二→)表紙デザイン=寺沢彰二 表紙絵=大蘇芳年

(↑拡大)ずいぶん凝ったフォントですね。
夜窓鬼談 石川鴻斎
悪魔の舌 村山槐多
哀れな者 松永延造
悪業地獄 平山蘆江
妖術者の群 藤沢衛彦
夢 三橋一夫
妖蝶記 香山滋
仕舞扇 森銑三
エイプリルフール 平井呈一
薔薇の獄 もしくは鳥の匂いのする少年 中井英夫
箪笥 半村良
かもめ 立原えりか
壁の影 都筑道夫
鬼火の館 桂千穂