幻想文学必携 5


幻想文学1500ブックガイド

幻想文学1500ブックガイド

Amazonで不当に評価されていたので、熱くなってしまった。

レビュー対象商品: 幻想文学1500ブックガイド (単行本)
国書刊行会から出た幻想文学事典の数々。
『世界幻想作家事典』荒俣宏編著 1979
幻想文学大事典』ジャック・サリヴァン編 1999
『日本幻想作家事典』東雅夫石堂藍共編 2009

季刊『幻想文学』で紹介されてきた幻想文学の名品たちが1冊の本にまとめられた。
幻想文学1500ブックガイド』は幻想文学を初めて読む人だけでなく、練達の幻想文学愛好家にも自信をもって推薦することができる、充実した内容の案内書だ。英米独仏露中、東欧・南欧、さらにはラテンアメリカまで、まさしく世界の幻想文学を俯瞰する感がある。
道に迷うことの多い幻想文学において、必ずや読者の手助けとなるであろう。
凡例にも記述のある通り、全書目が入手可能というわけではない。しかしながら、本書の発行から10年以上経過していることや、幻想文学が必ずしも良い市場に恵まれていないことを考えれば、自ずから納得のいくことではなかろうか。現在刊行されている本だけを選んだとしても、粗末なブックガイドにしかならなかっただろうし、それにしたっていつかは古びるのである。批判するには当たらない。